デカフェコーヒーにはカフェインがどれくらい入っているのか調べてみました。
まず、栄養成分のデータベースといえば日本食品標準成分表というものがあります。国が刊行しているもので、お茶やコーヒーについてはカフェインの量も併記されています。
日本茶・ウーロン茶・紅茶・コーヒー・ココアの全11種類についてカフェインの量が記載されています。全部抜き出してみましょう。
▼ 可食部100gあたりのカフェイン量
玉露抽出液 | 160mg |
煎茶抽出液 | 20mg |
かまいり茶抽出液 | 10mg |
番茶抽出液 | 10mg |
ほうじ茶抽出液 | 20mg |
玄米茶抽出液 | 10mg |
ウーロン茶抽出液 | 20mg |
紅茶抽出液 | 30mg |
コーヒー抽出液 | 60mg |
インスタントコーヒー | 4000mg |
ピュアココア | 200mg |
日本茶の充実度がなかなかのものなのですが、デカフェについては昨今のトレンドだからなのか、残念ながら記載がありません。
かまいり茶(上の表の3番目)よりデカフェの方が絶対にニーズがあるし、次期改定の時には何とかしてほしものですね。
そこで、アメリカ版食品標準成分表ともいえる、USDA Food Composition Databasesを参照してみます。
アメリカはデカフェ文化が進んでいるだけあって、デカフェのカフェイン情報が満載なのです。
しかも、エスプレッソのデカフェまで記載があります。
それでは見ていきましょう。
コーヒー抽出液
最初は、デカフェではない普通のコーヒーです。Brewedとなっていてドリップなのか何なのか分からないので、そのままコーヒー抽出液と訳しておきます。
サイズ別に記載がありますので、そのまま抜き出しました。
量の目安です。
- 1オンス…エスプレッソシングル
- 6オンス…ドトールのMサイズ
- 8オンス…スターバックス・タリーズのShortサイズ
- 100g…40mg
- 29.6g(1オンス)…12mg
- 178g(6オンス)…71mg
- 237g(8オンス)…95mg
参照)14209, Beverages, coffee, brewed, prepared with tap water
- 100g…1mg
- 29.6g(1オンス)…0mg
- 178g(6オンス)…2mg
- 237g(8オンス)…2mg
ほぼゼロなんですが、わずかには残っています。
100gあたりでみると97%程度のカット率です。
参照)14201, Beverages, coffee, brewed, prepared with tap water, decaffeinated
エスプレッソ抽出液
続いてエスプレッソです。
- 100g…212mg
- 29.6g(1オンス)…63mg
参照)14210, Beverages, coffee, brewed, espresso, restaurant-prepared
- 100g…1mg
- 29.6g(1オンス)…0mg
参照)14202, Beverages, coffee, brewed, espresso, restaurant-prepared, decaffeinated
100gあたりでみると99%以上のカット率になっています。
エスプレッソとドリップコーヒーとを比べて、どちらの方がカフェインが多いか少ないか、という話をたまに聞きますが、抽出の方法、使用する豆の量、飲用する量によって変わるので、あんまり意味がある議論には思えません。
もし何か言うならば、このデータを根拠とすると、ドリップコーヒー6オンスとエスプレッソ1オンスが同じ程度カフェイン量なので、ドリップもエスプレッソも同じくらい、と考えるが妥当ではないでしょうか。
インスタントコーヒー
続いてインスタントコーヒーです。
- 100g…3142mg
- 2g…63mg
参照)14214, Beverages, coffee, instant, regular, powder
1杯あたりは上記では2gですが、デカフェのほうは1.8gとなっていました。このまま抜き出します。
- 100g…122mg
- 1.8g…2mg
参照)14218, Beverages, coffee, instant, decaffeinated, powder
インスタントは粉100gあたりなので数値が大きくなっていますが、1杯(2g)あたりにすると63mg、デカフェで2mgとほぼドリップやエスプレッソと同じですね。
100gあたりでみると96%程度のカット率になっています。
理由は分からないのですがインスタントのカフェインカット率は低めです。このためなのか、ヨーロッパのカフェインレスの基準が実はインスタントコーヒーの場合は少し緩めになっています。
具体的にいうと、コーヒー豆はカフェイン量が0.1%以下、インスタントコーヒーは0.3%以下です。日本の基準と異なるのと、日本では何%カットという表記が主流なので間違った説明も多く見られます。ちょっとややこしいので改めて記事を書きたいと思います。
まとめ
具体的にみると、1杯あたりのカフェインの量はコーヒーの種類にもよりますが、60mg~100mg程度です。
デカフェの場合これが0mg~2mg程度になります。
このデータベースを参照する限りですが、エスプレッソのカフェインのカット率が99%と一番高くなっています。
- コーヒー抽出液…97%
- エスプレッソ抽出液…99%
- インスタントコーヒー…96%
妊娠中・授乳中にカフェインをどれくらい摂取していいものなのか、については次の記事をご参照ください。
インスタントコーヒーでカフェインレスをお探しの方は、マウントハーゲンが一番おいしいです。カフェインレスっぽくないどころか、普通のインスタントコーヒーとしてかなりおいしい部類だと思います。